ゼロ・エミッションへの取り組み

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カーボンニュートラル社会実現に向けたクルマとしての取り組み

気候変動への対応は、グローバルに取り組むべき重要課題のひとつとして、1992年に気候変動枠組条約が採択されたことに始まり、国際的な長期目標が論議されています。IPCCの1.5℃特別報告書によると、温暖化抑制には地球の平均気温の上昇を産業革命以降1.5℃以内に抑える必要があります。
日産は2021年1月に2050年までに事業活動を含むクルマのライフサイクル全体におけるカーボンニュートラルを実現する新たな目標を発表しました。その目標の達成に向け、2030年代早期より、主要市場に投入する新型車をすべて電動車両とすることを目指し、e-POWERと電気自動車を電動化の2本柱として開発を推進します。

  • e-POWERは、ガソリンエンジンにより発電し、その電力を使いモーターの力だけで走行する電動パワートレインです。発電に用いる専用エンジンのさらなる効率化により、CO2排出量を削減する技術開発を進めていきます。
    (LINK:熱効率50%を実現する技術
  • 電気自動車は、パワートレインの効率向上や充電時に再生可能エネルギーを活用することに加え、バッテリー製造時の新規採掘資源を減らすことや、バッテリーの再利用を促進することにより、実質的なライフサイクルCO2の削減を目指します。また、電気自動車をエネルギー貯蔵デバイスとして活用することにより、社会として再生可能エネルギーの利用促進にも寄与します。

バッテリー製造時の新規採掘資源削減の取り組み

中古電池を再度資源として活用するために、リサイクル化の技術・設備を準備しています。バッテリーを廃却処理するのではなく、粉砕したうえで分別することにより、高純度の原材料を取り出すことができます。この資源を再びバッテリー製造に用いることにより、バッテリー製造時のCO2削減が可能になります。

バッテリーの再利用

自動車用の高性能リチウムイオンバッテリーは、自動車として利用された後も電池して十分な容量を保持しています。リチウムイオンバッテリーの“再利用(Reuse)、再販売(Resell)、再製品化(Refabricate)、リサイクル(Recycle)” という「4R」を推進することで使用済みバッテリーを有効活用できます。この使用済みバッテリーをさまざま用途でエネルギー貯蔵デバイスとして用いることにより、バッテリーの再利用循環サイクルが実現可能になります。

日産は、電気自動車が市場で広く普及していく中、再利用可能なリチウムイオンバッテリーを有効に活用するために、2010年に住友商事株式会社とともにフォーアールエナジー株式会社を設立しました。フォーアールエナジーは、「日産リーフ」から回収した使用済みリチウムイオンバッテリーの劣化状態の評価手法を確立し、バッテリーの状態に応じて、自動車用再生バッテリーや定置用バッテリーとして再利用するバッテリーリサイクルビジネスを進めています。

再生可能エネルギーの利用促進

電気自動車は、さまざまなエネルギーソースから製造可能である電力を動力源としているため、脱・枯渇性資源の観点からも持続可能なモビリティであるといえます。

また、車両に搭載されているバッテリーや再利用されたバッテリーを蓄電池として活用することにより、再生可能エネルギー利用を推し進めることが可能です。例えば、昼間に太陽光パネルで発電した電力をバッテリーに貯蔵し、その電力を夜間や雨天時に使うことで、エネルギーの地産地消が可能になり、再生可能エネルギーを有効に利用することができます。

電力源としてのEVの活用

電気自動車は移動する・運搬するという従来の自動車の役割だけでなく、新たな価値をお客様に提供することが可能です。

電気自動車には大容量のバッテリーがあるため、この電力を車外に取り出すことで、様々な活用が可能になります。これを実現する技術が、Vehicle to Load(V2L)とVehicle to Home(V2H)、Vehicle to Building(V2B)です。実際に台風などの災害発生時に非常用電源として活用されています。

カーボンニュートラル社会の実現に向けて、日産は先頭を走り続けています。

日産は、電気自動車の投入・普及を企業戦略のひとつとして位置づけ、車両の生産、販売だけでなく、包括的なアプローチのもと、さまざまなパートナーと連携し、電気自動車の普及に向けた活動を推進しています。「ゼロ・エミッション車でリーダーになる」というコミットメントのもと、2010年に日産リーフを発表して以来、各国政府、地方自治体、電力会社やその他業界と多くのパートナーシップを締結しながら、電気自動車の推進およびインフラ構築を進めてきました。

また、電気自動車を取り巻く環境を整備し、お客さまにより豊かな生活を提供するソリューションの1つとして「ニッサン エナジー」を推進してきました。

今後も革新的な技術開発や電気自動車を中心とした取り組みをさらに拡充・拡大し、カーボンニュートラル社会の実現を目指します。

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