コンプライアンス
日産においては、すべての従業員が高い倫理基準に従って誠実に行動することが大切であるため、グローバルコンプライアンス室を設置し、世界の各拠点にコンプライアンス施策を推進する担当部署と推進責任者を配置して、コンプライアンス意識の醸成に努めています。
ビジネス倫理の遵守
ビジネス倫理の遵守の方針・考え方
従業員におけるコンプライアンスの徹底
2001年には、従業員がどのように行動すべきかを「グローバル行動規範」として定め、グループ全社でグローバルに適用しています。
取締役や執行役員に対しても、「取締役・執行役員の法令遵守ガイド」を策定し、啓発活動を実施することなどにより、その遵守を徹底しています。
CEOとグローバルコンプライアンスオフィサーが共同で議長を務める「グローバルコンプライアンス委員会」を年2回開催し、グローバルコンプライアンス計画の審議や年次プログラムの検証、コンプライアンス案件についての議論を行い、その結果を経営会議および監査委員会に報告します。
さらに「グローバルコンプライアンス委員会」の統括のもと「リージョナルコンプライアンス委員会」を地域ごとに設置して、コンプライアンス違反行為や非倫理的行為を未然に防ぐグローバルな体制を構築。法令・倫理遵守機能を高めるため、各地域・拠点が連携しながらコンプライアンスの周知徹底とコンプライアンス違反行為の未然防止活動に取り組んでいます。日産グループでは、従業員が行動規範や法令に違反・抵触した場合、適切な懲戒処分を行うためのプロセスが設定されています。
また、コンプライアンスの管理をこれまで以上に徹底するため、グローバルコンプライアンス室を設置しました。さらに、各地域のコンプライアンスを徹底するため、日本-アセアン、中国、米州、AMIEO(アフリカ/中東/インド/欧州/オセアニア)地域に独立した専任のコンプライアンスオフィサーを選任しています。
グローバルコンプライアンス委員会組織
- 各地域のコンプライアンス委員会はローカルレベルのコンプライアンス委員会を適切に監視しています。
グローバル行動規範
「グローバル行動規範」は、日産がすべての事業所において法令を遵守し、公正かつ誠実に事業活動を行うための基本原則です。日産グループで働くすべての従業員に適用されており、従業員一人ひとりにこの行動規範をしっかりと守り実践していく責任があります。最低でも3年に1回は会社や社会の変化に合わせた改定に向け、見直しを行っています。
日産のすべての従業員、取締役・執行役および執行役員は、本「グローバル行動規範」研修を毎年受講することが義務づけられています。「グローバル行動規範」の遵守・周知の状況については、所管部署による自主評価および内部監査部門による独立的評価が行われています。その結果は内部統制委員会へ毎年報告し、取締役会にも報告しています。
法律及びルールの遵守 | 日産の従業員等は、日産社内のポリシーや規則に加え、事業活動を行う全ての国の法令・規則を遵守しなければなりません。 |
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安全の推進 |
日産は安全と健康の促進に取り組んでいます。日産の従業員等は安全に業務を遂行し、健全な職場環境を促進しなければなりません。さらに、日産はお客さまと搭乗者および歩行者の安全を確保することに細心の注意を払っています。 そのために日産の従業員等は、製品の安全性や安全策を継続的に推進し、交通安全への意識を高めなくてはなりません。 |
利益相反行為の禁止 | 従業員等は日産の利益を考えて行動することが期待されています。会社の利益に反して、行動・活動したり、情報を使用したりしてはなりません。さらに従業員等は、利益相反と見られるような状況を避けるように努めなければなりません。 |
会社資産の保護 |
日産の従業員等は会社の資産を保護し、守らなければなりません。 許可なく資金や企業秘密、物的資産、社有車、知的財産を含む会社資産を使用することは禁じられています。 |
公平・公正な関係 | 日産の従業員等は、ビジネスパートナー(販売会社、部品メーカー、その他の関係先)のみならず他の従業員等とも、公平かつ公正な関係を維持していかなければなりません。 |
透明性と説明責任の確保 | 従業員等は帳簿と記録を誠実に管理しなければなりません。日産の従業員等は、株主、経営陣、お客さま、他の従業員等、地域社会等の関係者に対し、企業活動に係る情報を公平性と透明性をもって、適時・適切に開示しなければなりません。 |
多様性の尊重と機会平等 | 日産は従業員等および取引先、お客さま、地域社会の多様性、公平性および一体性(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の原則を評価・尊重します。また、差別や報復、ハラスメントは、どんな形・程度にせよ容認されるべきではありません。 |
環境保護 | 日産の従業員等は、製品を開発しサービスを提供する際、環境の持続可能性と保護に努め、リサイクル・省資源・省エネルギーを推進しなければなりません。 |
実践・報告の義務 (SpeakUp) | 日産の従業員等は、この行動規範に従い業務を遂行しなければなりません。行動規範の違反を察知した場合には、速やかにその旨を報告する義務を負っています。報告に際しては、グローバル内部通報システム「SpeakUp」の利用が推奨されています。あるいは、グローバル内部通報規程に従って報告している旨を伝え、上司、ローカル・リージョナルまたはグローバルのコンプライアンス室、人事部、内部監査室または法務室に報告することもできます。そして、違反行為の報告時に誠意をもって行動した従業員等は、報復を受けることがないよう保護されています。 |
ビジネス倫理の遵守のマネジメント
健全性を高める内部通報制度
日産では、全世界の従業員一人ひとりがコンプライアンスを確実に理解し、企業活動が正しく行われるよう、グローバルで統一した内部通報制度SpeakUpを導入しています。SpeakUpは、倫理ホットラインを専門とする独立した第三者機関であるNAVEX Globalによって運営されています。従業員はこのシステムを使って意見や質問を会社へ伝えることが可能となり、業務や職場の改善につながっています。また、匿名かつ秘匿の双方向コミュニケーションをウェブサイトを通じ、約20言語で、24時間365日行うことができます。
SpeakUpの活用はポスター、イントラネット上のバナー、社内記事、毎年開催の「日産エシックス・デー(企業倫理の日)」など、さまざまな社内コミュニケーションを通じて従業員に伝えられています。
日産は、従業員に「グローバル行動規範」やその他の会社規則に対する違反を報告するように促すとともに、コンプライアンス制度の土台である「グローバル内部通報規程」に沿い、報復を禁ずる方針によって通報者を保護しています。