e-POWER制御技術

モーター駆動ならではの力強さと静粛性をささえる高度な制御技術

e-POWERは、エンジンで発電し100%モーターで駆動する日産独自の電動パワートレインです。
モーター駆動ならではのなめらかで力強い走りはもちろん、高度な制御技術によりエンジンの作動をコントロールし、圧倒的な静粛性を提供します。市街地など走行音の小さな領域ではエンジンの作動を極力抑え、高速走行や荒れた路面を走行するときなど、走行音が大きくなるときに効率よく発電、エンジンを感じさせない静かさを実現します。
さらに一部車種では、ナビ情報をもとにルート上のエネルギー収支を予測し、より静かで効率のよい走りを提供します。

e-POWER

技術の働き

e-POWERは、一般的なハイブリッドと比較してエンジン作動頻度の少ない圧倒的な静粛性を提供します。
市街地など中低速域では、バッテリーの電気のみでモーターを駆動し走行します。
減速のためドライバがアクセルを戻すと、回生ブレーキを作動させ、この時に発生した電気でバッテリーを充電します。
高速走行時には、エンジンで発電してモーターを駆動するとともに、バッテリーを充電します。強い加速が必要な場合には、エンジンで発電した電気とバッテリーからの電気をあわせて、モーターで力強く駆動します。

e-POWER

さらにe-POWERは、走行する道路環境やルート情報を用いることで、静かに走りたい場所でEV走行できるようエンジン作動タイミングを賢くコントロールします。

路面状態に応じた発電制御*1

バッテリー走行により残量が減ってきても、発電のためのエンジン始動を極力行わず、走行音が大きくなる荒れた路面などで、効率良くエンジンを作動させ、短時間でバッテリーを充電します。また、低速で充電が必要な場合には、回転数を抑えてエンジンを作動させています。

路面状態に応じた発電制御

先読み充放電制御*2

さらに一部車種では、ナビで目的地設定すると、ルート上のエネルギー収支を予測して走行します。下り坂では、あらかじめEV走行頻度を増やしてバッテリー残量を減らし、回生エネルギーを最大限に回収します。さらに、目的地に近づくとあらかじめエンジンを作動させてバッテリー残量を増やし、目的地周辺では静かにEV走行します。

先読み充放電制御

技術の仕組み

e-POWERは、高出力なモーターと高性能なリチウムイオンバッテリーをもち、幅広い領域でバッテリーのみで走行することが可能です。
エンジンは発電専用で駆動輪にはつながっていないため、エンジンの作動を自由にコントロールすることができます。発電タイミングは、車速、アクセル開度、バッテリー残量などから判断し制御します。

路面状態に応じた発電制御*1

車輪速の微小な変動から路面の粗さを推定し、荒れた路面では積極的にエンジンを作動させる技術も導入しています。また発電時のエンジン回転数は、効率のよい回転数で運転することで、作動時間を減らすとともに高い燃費性能を実現します。車速に応じて回転数を段階的に変化させることで、エンジン作動が気にならないよう制御しています。

路面状態に応じた発電制御

先読み充放電制御*2

ナビで目的地を設定すると、ルート上の勾配や渋滞も考慮した平均車速、エアコン使用状況などさまざまな情報から、走行中のエネルギー収支を予測します。
静かで効率よい走りを提供するため、この情報をもとに経路途中のバッテリー残量の目標値を算出します。
経路上の充放電を先読みし、エンジン作動タイミングをかしこくコントロールすることで、下り坂でのエネルギー回生を最大化し、目的地周辺での静かなEV走行を実現します。再出発時もEV走行でスタートできるよう、バッテリー残量をコントロールしています。

先読み充放電制御
  1. ノート(E13型)から採用
  2. セレナ(C28型)から採用(メーカーオプションナビ装着車)

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