「サステナビリティ」や「サステナブル」といった言葉を最近よく耳にしますね。言葉の意味は分かったつもりでも、実際に「サステナビリティ」とは何か考えたことはありますか?たとえば、クルマの世界での「サステナビリティ」と聞くと、二酸化炭素排出量削減への取り組みを想像する人は多いでしょう。
しかし、本当の意味のサステナビリティとは「将来の世代にどのような世界を残すのか」を問うことです。日産は将来の世代のために、よりクリーンで安全、インクルーシブな世界を目指しています。そのために、私たちは、研究開発を通じて創造性やイノベーションの力を最大限に発揮しています。
サステナビリティを実現するための日産の取り組み
日産は2050年までに事業活動を含むクルマのライフサイクル全体でカーボンニュートラルを実現していくため、2030年までの取り組みとして「ニッサン・グリーンプログラム2030」を定めました。また、人を中心とした企業活動を推進していくために「ニッサン・ソーシャルプログラム2030」も策定しました。環境や気候変動への取り組みだけでなく、サーキュラーエコノミーの実現、さらにはインクルーシブなコミュニティの形成を、この2つのプログラムで取り上げています。
さまざまな分野での取り組みを進めているため、内容も盛りだくさん。そこで今回は、日産にとって「サステナビリティ」とは何か、その中でサステナビリティにまつわる、よくある誤解5つについて、実際はどうなのか考えてみましょう。
誤解その1:サステナビリティとは、すなわち環境問題への取り組み?
本当の意味でのサステナビリティは、「環境に優しいこと」だけではありません。サステナビリティは、社会に対する責任であり、地域社会にどのようなインパクトを与えるのか、ということ。日産にとって、より良い未来を作る取り組みとは、ただ地球を守るだけではなく、人々の生活を豊かにしていくことです。
日産が思い描く理想の社会像「人とクルマと自然の共生」を実現するのは、ほかならぬ「人」です。そこで、インクルーシブなコミュニティを創造し、多様な人々が帰属意識を持てる環境を整えていくために、「ニッサン・ソーシャルプログラム2030」を定めました。
これは、「働きがいも経済成長も」「人や国の不平等をなくそう」「住み続けられるまちづくりを」といった項目をうたった国連の持続可能な開発目標(SDGs)と足並みを揃えたものです。サステナビリティの取り組みとは、つまり、環境と社会に対する責任を果たし、より良い未来を作っていくことにほかなりません。
誤解その2:電気自動車は航続距離が短くて使い勝手が悪い?
途中でバッテリー切れになったらどうしよう・・・と航続距離への不安で電気自動車(EV)の購入に踏み切れていない方はいませんか?最新のEVは、毎日の通勤はもちろん、長距離の移動も問題ないうえ、最近ではEV充電スタンドの数も増え、充電しやすい環境が整ってきています。例えば「日産アリア」には様々なモデルがあり、日常使いから週末の長距離ドライブまで幅広く対応できます。
「日産アリア」に搭載されているインテリジェントルートプランナーは、リアルタイム情報を使って最速ルートを案内してくれます。クルマのバッテリー残量や道路の渋滞状況なども考慮して、走行できる距離を判断するだけではなく、充電が必要な場合にはルート上にある充電スポットも教えてくれます。
誤解その3:SNSに投稿しても環境問題の解決にはつながらない?
「自分のSNSで環境問題を訴えても、実際の変化にはつながらないから意味がないのでは・・・」と考える人もいるかもしれません。ところが実際には、オンラインを通じて環境問題に対する意識が高まったり、エコに関心のある人たち同士が繋がったり・・・と、実際の社会にも影響を与えるきっかけになっています。
誰かのSNSでの環境問題やサステナビリティに関する投稿をみて、環境に優しい習慣をはじめてみたり、サステナブルな企業の応援や、自然保護活動に参加してみたり・・・という経験はありませんか?SNSはポジティブな意識の変化につながるといえます。たとえば日産では毎年、SNSにおにぎりの写真を投稿することで支援を必要とする子どもたちに給食を届ける「おにぎりアクション」に参加しています。SNSは強力なツールです。皆さんもぜひご活用ください。
誤解その4:プラスチックは悪者?
これは少し言い過ぎかもしれませんね。
最近では、二酸化炭素と水に分解される生分解性プラスチックや、植物由来の原料を利用して作られたバイオマスプラスチックなどがイノベーションによって生まれています。プラスチックは強度が高く、汎用性があって軽量なことから、さまざまな分野でなくてはならない素材です。たとえば製造業ではコスト削減のために必要不可欠です。クルマでも、燃費向上につながる軽量化には、プラスチックが大きな役割を果たしています。プラスチックの長所を生かしながら、リサイクルをすすめ、より環境に優しい素材に移っていくことが必要なのです。
日産では再生利用しやすいように生産時にプラスチックをラベル分類しておき、自動車のライフサイクルが終わった後にリサイクルしています。
誤解その5:サステナビリティの取り組みは規模が大きくなければ意味がない?
大企業や政府などが主導する大規模な取り組みだけが「サステナブル」な変化を生むのでしょうか?決してそうではありません。皆さん一人ひとりの小さなアクションこそが重要です。たとえば日産では、紙コップなど、どんな小さなものでも資源ごみとしてリサイクルできるものは、きちんと分別しています。このような小さなアクションも、当たり前の行動として全ての従業員がしっかり取り組むことで、大きなインパクトになります。自宅でのごみの分別やリサイクル、マイボトルの持参、省エネ機器の利用など、皆さんができる身近な小さな取り組みが、未来の環境を守ることになるのです。
日産にとって、サステナビリティはスローガンではありません。「人々の生活を豊かに。イノベーションをドライブし続ける」というコーポレートパーパスを実現し、よりクリーンで安全、インクルーシブな世界と持続可能な未来を作ることです。
日産は、これからもお客さま、パートナー、地域社会とともにサステナブルな未来を目指していきます。