事業を営む地域への貢献

国内各事業所や関係会社においても地域社会の⼀員として、様々な地域貢献活動を⾏っています。

日産財団による支援(米国、オーストラリア、ブラジル、カナダ)

日産は国や地域により異なるニーズに対応するため、各国の事業拠点や関連会社による独自の取り組みも行っています。米国、オーストラリア、ブラジル、カナダなどに設立された各国の日産財団は、さまざまな形で社会貢献活動を実施し、コミュニティの活性化や課題の解決に貢献しています。

米国では、社会における「多様性」を促進するための教育活動に対して資金提供を行う「日産ファンデーション」を通じて、多くのコミュニティを支援しています。1992年の設立以来、日産ファンデーションは米国全土の150以上のNPO法人に対して1,300万ドル以上の寄付を行ってきました(2022年3月末現在)。2021年度は、全米の28の団体・機関に対して69万ドルの寄付を行いました。

豪州日産自動車会社(NMA)は、2016年4月に社会貢献活動を目的とした「日産オーストラリア財団」を設立しました。2017年度より、オーストラリア国内の中小規模の慈善団体に資金提供を行い、活動の拡大や継続を後押ししています。NMAでは、従業員が地域社会貢献のために毎年ボランティア休暇を取得できる制度を導入し、従業員の社会貢献活動を奨励しています。これらの活動は、2020年と2021年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、中止や延期となりました。

ブラジル日産自動車会社(NBA)は「インスティテュート・ニッサン」をサステナビリティ戦略の一部に据えています。当財団はコミュニティなど、さまざまなステークホルダーと協業し、「Inova-san」という社会貢献プログラムや、社内のボランティアプログラムを支援しています。2019年に開始した「Inova-san」は、起業家向けの教育やオープンイノベーションなど多岐にわたるプログラムで、大学生を対象としており、地域社会の課題解決や地域社会活動の促進を目指しています。2020年7月から2021年4月に行われたサードエディションでは、2020年にオンラインで立ち上がったプログラムのうち、21のプロジェクトがスタートしました。リオデジャネイロ州の19の大学から513名の学生が、環境、インテリジェントモビリティ、女性とイノベーションの3つのテーマに分かれて参加しました。2021年1月には各テーマで最優秀プロジェクトが決定されました。

カナダ日産自動車会社(NCI)は日産カナダ財団を通じて教育を支援しています。例えば2008年からは、ジョージア大学に通う学生に経済的な支援を行っています。ジョージア大学は自動車プログラムに専門性があり、NCIも多くのインターンを受け入れており、この大学を卒業した従業員も多くいます。また、2020年よりScientists in Schoolとのパートナーシップを通じて、小学校5校の教育を支援しています。このプログラムは先進的な科学教育を届けることで、子どもたちの科学、技術、工学、数学といったSTEMへの興味を花開かせることを目的としています。出張授業やワークショップには、各校最大540名の生徒が参加しました。

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公益財団法人日産財団による教育支援(日本)

公益財団法人日産財団は「人材育成を通じて、豊かな未来社会の実現を目指します」というビジョンのもと、人財育成事業を行っています。子どもたちの論理的あるいは科学的思考能力の向上や、教師の指導力を高める授業研究を目指す小中学校や理科研究会を対象に理科教育助成を行っています。

また、科学技術分野を担う女子の育成を目指し、日本国内の小中学校を対象とした「日産財団リカジョ賞」も設立しました。2019年度からは、未来人材育成事業を開始し、その一環として早稲田大学との共同研究に基づく未来のリーダー教室プロジェクトを立ち上げました。2021年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、これまでの運営を見直し、オンラインを活用してプロジェクトを再始動しています。

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従業員一人ひとりの自発的な地域貢献活動を推奨する取り組み(日本)

日産は多くの従業員が社会に関心を持ち、活動に自発的に参加できるように、従業員の社会貢献活動をサポートしています。1996年より従業員が参加する市民活動(ボランティア活動や寄付行為)を会社が資金面で支援する制度「日産ボランティア活動資金支援制度」を導入するほか、開発部門の拠点のある日産テクニカルセンター(NTC)では、2008年より「NICE WAVE活動」と称して、従業員一人ひとりの自発的な地域貢献活動を推奨しています。

日産(中国)投資有限公司(NCIC)では、環境をテーマにした従業員写真コンテストの開催、南米ではディーラーと連携した従業員参加型のバーチャルとリアルでのイベントを企画しました。

カナダ日産自動車会社 (NCI)は、2019年よりWWFカナダの公式パートナーとして、CN Tower Climbといった、環境に関する募金を呼び掛けるイベントに参加しています。今年はカナダ国民に環境保全のために測定可能で意味のある行動を呼びかけるLearn Plant Connectを中心に支援を行い、生物多様性の喪失や気候変動の危機を解決するための活動に貢献しています。

工場見学(日本)

日産の工場は、地域の方々に愛され、信頼される「開かれた工場」を目指し、皆さまとのふれあいや対話を大切にしています。年間を通じて、工場見学に訪れる多数のお客さまをお迎えしています。2020年7月からは、ビデオ会議システムを利用してオンライン工場見学を開始しました。オンライン化により、通常の工場見学では公開できなかったエリアもカメラを通して見学でき、これまで工場へ訪問することが難しかった遠方の小学校も参加できるようになりました。

横浜F・マリノスのホームタウン活動(日本)

横浜F・マリノスは、地域のあらゆる人々が心からスポーツを楽しめる場を創り、スポーツのチカラで地域の人々と共に活気あふれる街を創ることを目指し、ホームタウン活動を推進しています。

ホームタウン(神奈川県横浜市、横須賀市、大和市)では、身体を動かす楽しさと食育を伝える「サッカー食育キャラバン」や交通安全教室等地域に根差した活動を実施しています。そのほかにも、障がい者サッカーチーム「横浜F・マリノス フトゥーロ」の活動、自然災害の被災地復興応援活動などを実施しています。

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新型コロナウイルス感染症への対応

Arigatou Project(メキシコ)

メキシコ日産自動車会社(NMEX)は感染拡大を抑えるため医療の最前線で奮闘されている医療従事者の方々に感謝を込めて日本食のお弁当を贈る「ありがとうプロジェクト」に協賛し、JETROとExpo Japanに5万8千メキシコペソの支援金を寄付しました。

感染症拡大の影響による生活困窮世帯への食糧寄付(ブラジル)

ブラジルでは感染症拡大の影響による生活困窮世帯支援のため、従業員がひとつフードバスケットを寄付するごとに日産ブラジル財団がひとつを追加して2倍にして寄付しました。2021年3月と5月に実施し、それぞれ614箱、305箱を4つの財団 (Redes da Maré, Litro de Luz, Doutoraço, AFECE) に寄付しました。

Nissan Care for You(タイ)

タイ日産自動車会社(NMT)は2020年度の新型コロナウイルス感染拡大第一波から地域のニーズや状況に応じた支援を行っており、2021年度も医療従事者向けにナバラなど日産車4台をサムットプラーカーン県の保健所とバンコク市役所に提供するなど、政府やNGOへの支援を行いました。「あなたのために」というテーマで、支援の対象は地域社会のみならず従業員にも拡大し、コロナ禍でのメンタルヘルスケアについても情報提供を行っています。

医療機関への支援(フィリピン)

フィリピン日産は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大への支援を継続しています。フィリピン国営の大規模な病院のひとつであるフィリピン総合病院(PGH)で働く医療従事者を支援するため、4千食を寄付しました。地元の自動車クラブ「Urvan Pilipinas (アーヴァンフィリピン)」も、医療機関に食事を届けました。

オックスフォード日産日本問題研究所による日欧相互理解促進(英国)

1981年、日産の寄付により英国オックスフォード大学内に設立されたオックスフォード日産日本問題研究所は、欧州における現代日本研究の主要拠点のひとつとして広く知られ、日欧の相互理解の促進に寄与しています。