ダイバーシティ(多様性の尊重)

⽇産は、ダイバーシティを企業の競争⼒を⾼める重要な要素と捉え、経営戦略のひとつに位置づけています。社会貢献活動もこの考えに則り、貧困の削減、社会的‧経済的に恵まれない⼈々への⽀援を実施しています。
ケア・インターナショナルとの協働による教育プログラム(タイ)

日産は、タイ王国アユタヤ、ラヨーン、サムットプラカーン県において、中学・高校生を対象とした教育プロジェクト「理数系(STEM)教育を通じたリーダーシップ育成プログラム」を2017年から開始しました。
地域の学校と協働して行う授業では、リーダーシップやチームワークなど、コミュニティの発展を担うリーダーとして必要な資質を身につけるほか、科学・技術・工学・数学(STEM:Science、Technology、Engineering、Mathematics)の要素も授業内容に取り入れています。また、職業技能訓練も導入し、特に女子学生の支援を重視しています。タイでは、新型コロナウイルス感染拡大により、2021 年4 月から10 月末まですべての学校が休校となり、当プログラムの運営も影響を受けましたが、コロナ過でもできる支援を継続して提供しました。例えば、複数校の生徒が一堂に会して合宿形式で行う研修を見直し、学校ごとのオンライン研修プログラムを新しく構築しました。ジェンダー研修のほか、リーダーシップ研修もオンラインで行い、ジェンダー研修のほか、リーダーシップ研修もオンラインで行い、16校から生徒1,200人が参加しました。

STEM教育を生かしてスマートファーミングを学ぶタイの生徒たち
歩く国際協力「Walk in Her Shoes 2021」キャンペーンへの協賛(日本)
途上国での水資源問題や女性の人権問題を従業員に身近に感じてもらうため、日産はケア・インターナショナルジャパン主催の「Walk in Her Shoes(彼女の身になって歩く)」キャンペーンに協賛し、従業員の参加を呼び掛けています。約3か月のキャンペーン期間中に参加者が好きな時に好きな場所を歩いた歩数が、途上国で水汲み労働のために教育の機会を失っている女子の支援への寄付に繋がる活動です。
2021年には414名の従業員がキャンペーンに参加し、自身の健康促進にもつながる社会貢献活動として好評を得ています。2022年からは、主旨に賛同した愛知機械工業株式会社、株式会社オーテックジャパン(現:日産モータースポーツ & カスタマイズ株式会社)、日産工機株式会社も協賛に加わり、関係会社の従業員の参加も促しています。
日産(中国)投資有限公司(NCIC)では、環境をテーマにした従業員写真コンテストの開催、南米ではディーラーと連携した従業員参加型のバーチャルとリアルでのイベントを企画しました。
カナダ日産自動車会社 (NCI)は、2019年よりWWFカナダの公式パートナーとして、CN Tower Climbといった、環境に関する募金を呼び掛けるイベントに参加しています。今年はカナダ国民に環境保全のために測定可能で意味のある行動を呼びかけるLearn Plant Connectを中心に支援を行い、生物多様性の喪失や気候変動の危機を解決するための活動に貢献しています。
ものづくりの魅力を伝える「日産モノづくりキャラバン」「日産デザインわくわくスタジオ」(日本)
日産は、モノづくりの楽しさを将来世代に伝えたいと考え、さまざまな取り組みを行っています。日本では日産の従業員が小学校を訪れ、モノづくりの魅力を伝える出張授業「日産モノづくりキャラバン」や「日産デザインわくわくスタジオ」を実施、両プログラム合わせて年間約2万2,000名の子どもたちが受講しています。
日産はこれまで従業員ボランティアの提供や資金面にて支援しており、2021年度には$25,000を「テネシー森林保全プログラム」に寄付しました。日産からの支援は、都市の環境変化への解決策を見出し、健全で持続可能な社会に不可欠な自然や生物多様性を守るというTNCの目標達成に役立てられています。
子どもたちや若者への教育支援「日産ドリーム・クラスルーム」(中国)
日産(中国)投資有限公司(NCIC)は、小学生を支援する教育プログラム「日産ドリーム・クラスルーム」を2013年から実施しています。授業内容と実施地域を徐々に拡大し、現在では環境、モノづくり、デザイン、塗装、コーディングなど、多彩な授業を提供しています。
2015年からはNCICをはじめとする合弁会社で授業を実施しており、年々規模を拡大し、質の高い教育支援活動に活発に取り組んでいます。NCICは「日産ドリーム・クラスルーム」の活動を、日産のディーラー各社のほか、北京自動車博物館や、地元の自動車ショーなどの協力を通じて、さまざまな機会で提供しており、2021年末までに150万名以上の生徒が参加しました。
2020年11月にインテリジェントドライビングクラスルームを開講。この授業はプログラミングしたモデルカーを動かす授業で、運転支援技術「プロパイロット」の技術を子どもたちに分かりやすく伝えており、大変人気の高い授業です。「日産ドリーム・クラスルーム」はオンラインでも開講し、中国内19の省の900以上の学校で実施されています。
「日産ドリーム・クラスルーム」はこれまでにさまざまな表彰を受けています。2021年には中国で最も影響力のあるフィナンシャルメディアである21st Century Business Herald が主催する“Sustainable Innovation Automotive Enterprise of the Year”を受賞しました。
子どもたちに教育機会を提供「日産スキルズ・ファンデーション」(英国)
英国日産自動車製造会社(NMUK)では、2014年に日産スキルズ・ファンデーションを設立し、2021年12月までに地域の7万2,000名以上の生徒に、さまざまなプログラムを提供、未来のエンジニアと製造を担う人財の育成を推進しています。日産スキルズ・ファンデーションは、STEMを学ぶ外部の4つの国際的な教育プログラム「VEX IQ Robotics」、「VEX GO」、「FIRST LEGO League」、「F1 in schools」に機材や資金、知見などを提供して地元チームを支援しています。
2020年に2つのバーチャルSTEMプロジェクトを立ち上げ、2022年にはFIRST LEGO Leagueをバーチャルで実施、NMUKで開催したVEX IQ Roboticsには50チームが参加しました。また、コロナ禍において、ステイホーム中の11歳から18歳の子どもたちを対象に、未来のクルマのデザインチャレンジを実施し、25校が参加しました。今後は対象校を拡大し、活動を継続していきます。小学校低学年の子どもたちを対象にしたプログラム「Lesson In a Box」も2022年に開始し、既に10校が参加しています。日産や日本の文化に関連したSTEM教材を箱詰めして学校に貸し出し、学校にて子どもたちの教育に役立てています。
次代を担う子どもたちへの支援「日産 童話と絵本のグランプリ」(日本)

「日産 童話と絵本のグランプリ」は、アマチュア作家の方を対象にした創作童話と絵本のコンテストです。1984年の創設以来、数々の優れた作品を生み出しています。一般財団法人 大阪国際児童文学振興財団が主催し、日産は社会貢献活動の一環として協賛しています。
本グランプリでは、毎年、2,000編近い応募作品の中から、童話部門・絵本部門の大賞各1編を含む入賞作品計38編を選出しています。また、日産は各部門大賞作品をビーエル出版株式会社の協力を得て出版し、全国の公立図書館や、日産の事業所近隣の幼稚園や保育園などに寄贈しています。また、海外事業拠点周辺の日本人学校、日本語補習校にも贈呈しており、これまでに国内外で計27万冊以上の本を寄贈しています。
次代を担う子どもたちへの支援は、日産が社会貢献活動を通じて一貫して取り組んでいるテーマです。
ハビタット・フォー・ヒューマニティとのパートナーシップ(北米)
北米日産会社(NNA)は、2005年よりNGOハビタット・フォー・ヒューマニティ(ハビタット) との協働を継続しています。同団体は、「誰もがきちんとした場所で暮らせる世界」を理念に掲げ、家を建てたり改修したりすることで、地域コミュニティの活性化を図り、人々の希望を築く国際支援団体です。世界約70ヵ国以上で住居建築や自立支援に取り組んでいます。
2021年度は、過去に日産が支援した場所で、従業員が安全に注意しながらボランティア活動を実施しました。日産カナダ財団も2008年よりハビタットとのパートナーシップを締結しており、カナダ日産自動車会社(NCI)の従業員がボランティア活動を実施し、ハリファックスからバンクーバーまで50軒の住居を建築しています。2021年度は新型コロナウイルス感染症の影響で従業員のボランティア参加は見送りましたが、2022年は3日間のハビタット建築デーや先住民のコミュニティでのボランティアの機会に従業員のボランティア活動を企画しています。日産カナダ財団のハビタットへの寄付は累計100万カナダドルを超え、NCIにおける社会貢献活動の重要な成果となっています。また、ハビタットの活動を支援するために、車両の寄付も行っています。NCIはハビタットとの長期パートナーシップを通じて、カナダの人々の生活をより豊かにすることを期待しています。
次世代の科学者やエンジニアを育成する取り組み(米国)
北米日産会社(NNA)は米国における教育の取り組みとして、小学校から大学までの学生たちが自動車産業に不可欠なSTEMの4分野に親しむことを奨励するさまざまなプログラムを支援しています。NNAでは、全米で開催されるロボット競技大会「BEST*ロボティクス」のナッシュビル大会をサポートしています。
2021年度はバーチャルイベントとし、学生は各学校の教室から参加し、審査員はLipscomb Universityにて競技の様子を審査しました。今回は新たに開発された競技種目となり、学生たちはマイクロロボットを使ってどのように感染細胞を隔離し、感染拡大を防ぐかについて考察し、アイデアを競いました。
* BEST:Boosting Engineering Science and Technology の略。「工学・科学技術の振興のための」の意味
小児がんに苦しむ子ども達への支援(メキシコ)
「カサ・デ・アミスタッド」は、低所得層でがん治療中の子どもたちを支援する財団です。国際小児がんデー(2月15日)に、メキシコ日産自動車会社(NMEX)からの2万メキシコペソの活動支援金に加え、活動に賛同した従業員からの2万8千30メキシコペソの募金を同財団に寄付しました。
「日産セレナ」を通じて開発途上国の子どもたちに給食を届ける「おにぎりアクション」(日本)

日産は「日産セレナ」を通じて、NPO法人TABLE FOR TWO International(TABLE FOR TWO)の「おにぎりアクション」にトップスポンサーとして協賛しています。同団体は、開発途上国の子どもたちに給食を届けることを通じ、食の不均衡の解消を目指しています。「おにぎりアクション」はおにぎりの写真をSNSなどに投稿すると、アフリカ・アジアの子どもたちに給食5食が届く取り組みです。
「日産セレナ」が持つ「子どもの可能性を広げる“家族のためのミニバン”であり続けたい」という思いが、この活動の理念に合致し、2018年より協賛を行っています。「日産セレナ」独自の活動として、1投稿で通常の2倍の10食分の給食を届ける取り組みや、全国の日産のお店、ご来店されたお客さまにも参加を呼びかけ、4年間で約22万食(おにぎりアクション全体では500万食)の給食を届けました。「おにぎりアクション」は、その活動が評価され、2019年に「ジャパンSDGsアワード」SDGs副本部長(外務大臣)賞を受賞しました。

お客さまが投稿したおにぎりの写真
子どもたちや障がい者への支援(ペルー、ブラジル)
ペルー日産社(NPERU)では、NGOバイカと協力し、所得の低い地域に住む子どもたちに学校までの移動手段として自転車を提供することで、教育機会均等に取り組んでいます。NPERUは販売会社と連携し、2021年12月にカハマルカ(北部ペルー)に38台、2022年1月にプノ(南部ペルー)に50台を提供しました。最終的に子どもたちに400台を届けることを目指しており、今後はチリにもこの活動を拡大していきます。
ブラジル日産自動車会社(NBA)のウエブサイトでは、画面上の日産従業員のアバターを通じてブラジル手話(リブラス)でのサポートが受けられます。パソコンでもスマートフォンでもアクセスすることができ、アバターの手話により聴覚に障がいのあるお客さまに必要な情報を届けることが可能です。
日産カップ追浜チャンピオンシップ(全国車椅子マラソンin横須賀)(日本)

日産は、2000年より地域関係諸団体との協働運営で車椅子陸上競技の総合大会「日産カップ追浜チャンピオンシップ(全国車椅子マラソンin横須賀)」を開催しています。
障がい者スポーツの普及と競技者の技術向上のほか、地域の活性化と「やさしい街づくり」支援を目的としています。(2021年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、実施見送り)
日産ふれあいロードレース(日本)

日産テクニカルセンター(厚木市・伊勢原市)では、2008年より「NICE WAVE活動」の名称で地域貢献活動に取り組んでいます。
この活動の一環として2012年より「日産ふれあいロードレースを開催、視覚障がい者と健常者が共に「安全広々コースで思い切り走ろう」をテーマに、同センターを地域に開放して実施しています。(2021年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、実施見送り)