1/100ミリの世界

「もうひとつの品質物語」1/100ミリの世界1:55

「測れないモノは作れない」と、彼らは断言する。それは裏を返せば、モノを精密に測定することができれば、驚くほど高品質な製品を作ることができるということだ。日産は、正確な計測を実現し、クルマのごく僅かな誤差さえも検出できる「三次元計測器」と呼ばれる装置を開発した。

飯田シニアエンジニア

「三次元計測器から出るレーザー光を測定対象に照射し、その断面形状をスキャンして三次元の形状を精密に測定、データ化します。」

秘密はレーザー光の形状にある。普通、レーザー光と言えば点状のものを想像するが、この装置はクルマ全体を一気にスキャンできる板状のレーザー光だ。一見、同じように見える2台のクルマをこの装置で測定すると、その違いは一目瞭然。たとえば、クルマのドアが1/100ミリ単位まで正確に閉まるかどうかチェックできるほどなのだ。

飯田シニアエンジニア

「車体の表面全体のデータを取ることにより細部まで把握できるため、実際のクルマと、設計段階で作成されたCADデータを詳細に比較することもできるようになり、簡単かつ具体的に誤差をどう修正すればよいのか特定できます。」

日産では、わずか1/100ミリの誤差を検出するこのレーザーの目を通して、驚くほど精密なクルマ作りを行っている。

飯田シニアエンジニア

「(三次元計測器を使って)ひとつひとつの部品を正確に作ることにより、優れた構成部品を生産することができます。こうして生まれた部品を組み合わせることにより、優れたクルマを生産できます。私たちはこのようにして性能、品質、耐久性の優れたクルマを作っていきたいと考えています。」