緊急操舵回避支援システム

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衝突の危険を察して、ハンドルを自動操作して事故を回避します

前方に突然障害物が現れた場合、ドライバーは一瞬の判断を迫られます。
「相手は何か?」「衝突を避けるにはハンドル操作か、ブレーキ操作か?」
けれども、危険が差し迫ると人間は能力を100%発揮できないことがあります。このような状況下で急ブレーキでは事故を回避できないと判断した時にドライバーの操作を補い、「衝突を回避しよう」という意思を支援するのが緊急操舵回避支援システムです。
このシステムは、前方の障害物(人や車など)と衝突するリスクを察知すると、障害物がない方向(=エスケープゾーン)を見つけ出します。そして自動でハンドルを操作して、衝突の回避を試みます。

技術の働き

衝突しそうな対象物を見つけると、ECU(車載コンピュータ)はどのように対応すべきかを判断します。時間的に余裕がある場合には警告音とライトによる警告で、ドライバーの聴覚と視覚に訴えます。
警告を発した後に衝突を回避するにはドライバーの操作では不十分であると判断すると、緊急ブレーキが作動して衝突回避操作を支援します。
けれどもブレーキで衝突が避けられない場合は、ハンドルを切って障害物を避けることが必要となります。

技術の仕組み

前方に現れた障害物を避けるためにハンドルを切っても、そこが対向車線であれば被害はむしろ拡大する可能性があります。したがって、左右それぞれにハンドルを切った場合に生じる結果をシステムが素早く判断する必要があります。
このシステムの中心となるのは、車両に設置されたレーダーセンサー、レーザースキャナー、カメラと、これらの機器から送られる莫大な信号を瞬時に処理するECU(車載コンピュータ)です。
ECUは車線区分、周囲の車の位置と速度、歩行者の有無などを識別するソフトが搭載されています。カメラからの画像や、レーダーセンサーから送られる数台前方や対向車線の情報など、リアルタイムで提供される様々なデータを精密な測定装置を用いて計算します。
こうして、周囲の対象物の速度と距離を測定するだけにとどまらず、ハンドル操作によって生じる結果を素早く把握することができるのです。

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