2015年東京モーターショー
日産自動車は、東京モーターショーで新しいテクノロジーを出展しています。 ここでは、代表的な技術を紹介します。
日産リーフ -走行距離を大幅に向上するとともに自動ブレーキを標準装備
発売以来、グローバル累計で約20万台を販売し、販売台数世界No.1のEVである「日産リーフ」がマイナーチェンジしました。一充電走行距離の大幅向上を実現するとともに、日本では「自動ブレーキ」を全車標準とし、安全性能を向上しました。
一充電走行距離が280km(JC08モード)となるグレードを追加し、衝突回避および衝突時の被害低減を支援する「エマージェンシーブレーキ」、走行中の車線逸脱回避を支援する「LDW(車線逸脱警報)」を全車標準装備しています。
日産が考える自動運転
日産は持続可能なモビリティ社会の実現に向け、走行中のCO2の排出をゼロにする「ゼロ・エミッション」と日産車が関わる交通事故の死亡・重傷者数を実質ゼロにする「ゼロ・フェイタリティ」の2つの企業ビジョンを掲げています。
「ゼロ・フェイタリティ」の実現を目指す上で、クルマの知能化は重要な役割を担っています。日産は知能化により快適性と安全性を高め、一層の楽しみと安心をもたらす自動運転のコンセプトを「ニッサン インテリジェント ドライビング」と命名し、それを具現化する技術を今後、段階的に投入していきます。
その第一弾として、2016年末までには混雑した高速道路上での安全な自動運転を可能にする技術「パイロットドライブ1.0」を世界に先駆けて日本市場に導入する予定です。さらに2018年には、高速道路での車線変更を自動的に行う、複数レーンでの自動運転技術の実用化を目指しています。そして2020年までには、交差点を含む一般道での自動運転技術の導入を計画しています。
今回の実験車両は実際の交通環境で検証を行い、市販化に向けたシステムの信頼性向上を図ることを目的に開発したもので、今後日本だけでなく、海外での公道テストも実施します。同車両は電気自動車「日産リーフ」をベースに、ミリ波レーダー、レーザースキャナー、カメラなど特長の異なる複数のデバイス、高速チップ、専用のHMI(ヒューマンマシンインターフェイス)などが搭載されており、ハイウェイだけでなく一般道を含んだルートにおいて、ナビゲーションシステムで設定した目的地まで自動走行することができます。
一般道での自動運転を可能とするため、今回2つの革新的な技術を新たに開発しました。一つは世界最先端の小型・高性能な量産試作段階のレーザースキャナーです。高精度な3次元計測により、車両周囲の物体との距離を正確に把握しながら安全に走行することができます。もう一つは、遠方までの360度視野を持つ8カメラシステムで、交差点やきついカーブ路を走行するときにクルマの進む方向を的確に決めることが可能となりました。これらの革新的な技術を同車両に搭載することで、複雑な一般道の道路環境の中でも熟練したドライバーが運転するような安全で滑らかなクルマの動きを実現しています。
日産自動車の先進技術開発を担当する専務執行役員の浅見孝雄は、「日産は自動運転の実用化目標を明確に設定し、実現に向けた準備を進めています。今回発表した実験車は、我々の目標が確実に現実に近づいていることを示しています。日産はより自由で安全なモビリティをめざし、自動運転の実用化をリードしていきます。」と述べました。
システム構成図
主な自動運転機能
HMI(ヒューマンマシンインターフェース)
パイロットドライブコマンダー
センターコンソールに設置されており、マニュアルドライブモード(通常走行モード)からパイロットドライブモード(自動運転モード)への切り替え、自動車線変更の指示等を行う。
メータークラスター
TFT液晶を全面に採用し、運転モードと運転シーンに応じた車両情報を表示する。マニュアルドライビングモードでは、スピードメーター、バッテリー残量計、航続可能距離等のEV走行情報を表示し、パイロットドライブモードではEV走行情報に加え、システムが認識している周囲の状況を、高速時は360°ビューで、低速時は前方ビューで表示する。
ヘッドアップディスプレー
パイロットドライブモードにおいて、車線変更や交差点走行時等の今後の進路に関する情報を事前に表示する。
センタークラスター
パイロットドライブの走行状況を直観的に理解できるよう、大型画面にリアルな俯瞰映像を表示する。