担当役員メッセージ
日産は、「人々の生活を豊かに」というコーポレートパーパスのもと、移動と社会の可能性を広げることを目指してきました。この考えは、「モビリティの知能化で、毎日を新たな体験に」という長期ビジョンにも一貫して受け継がれています。モビリティに対する期待が大きく変化する中、その想いは変わることなく、さらに広がりを見せています。日産は、誰もが使える、知能化されたモビリティの提供にとどまらず、環境や社会への影響にも配慮し、変化にも柔軟に対応できる、持続可能なモビリティの実現に向けて取り組みを進めています。
当社を取り巻く事業環境は急速に変化しており、とりわけ自動車業界は、電動化の進展や車両の知能化、お客さまニーズの変化に加え、地政学的リスクの高まりやサプライチェーンの不安定化、各市場における規制の高度化により、複雑で緊急性の高い構造変化に直面しています。こうした環境では、規律ある事業運営を徹底するだけでなく、迅速に適応し、リスクを適切に管理しながらレジリエンスを高め、長期的な価値を創出していくことが求められます。
サステナビリティは、当社のレジリエンスや競争力、将来の機会に対する考え方を形づくる重要な基盤です。日産は、長期ビジョンを支える「ニッサン・グリーンプログラム2030(NGP2030)」および「ニッサン・ソーシャルプログラム2030(NSP2030)」を通じて、2030年に向けたサステナビリティの優先事項を定義し、具体的な活動を実践しています。
加えて、ステークホルダーからの事業およびその運営の透明性に対する期待の高まりや、複雑化する開示規制への対応力を高めるためには、これまで以上に経営層の関与を深化させ、サステナビリティのガバナンスを強化し、サステナビリティを経営に組み込んでいくことが重要となっています。そのため、2025年度には従来のグローバル・サステナビリティ・ステアリング・コミッティとグローバル環境委員会を統合し、CEOを議長、経営会議メンバーを構成員とするサステナビリティ委員会を立ち上げました。取締役会による監督のもと、本委員会では気候変動、サーキュラーエコノミー、人権といった重要課題を包括的に審議・マネジメントするとともに、事業活動におけるサステナビリティ関連のリスクの低減と機会創出に注力し、戦略および事業運営への統合を進めています。
当社にとって、2026年度末までに経営再建計画「Re:Nissan」の目標を達成することが当面の最優先事項ですが、それと並行して、長期的なレジリエンスと持続的な価値創出に向けた基盤づくりも着実に進める必要があります。サステナビリティを含む経営戦略を担当するストラテジーアクセラレーションチーフとして、経営戦略とサステナビリティを一体的に推進することで日産の変革を支え、より強靭で持続可能な企業への進化を実現させてまいります。そして、ステークホルダーへの価値創出と社会への貢献を目指していきます。
日産自動車株式会社
ストラテジーアクセラレーション チーフ(CSA)
坂根 学