電気自動車用リチウムイオンバッテリー(ユニバーサルスタック構造)
日産は、長年に渡り、電気自動車のキーとなるリチウムイオンバッテリーの開発に取り組み、量産型EVのパイオニアとして2010年に初代「日産リーフ」を発売しました。以降、高い信頼性はもとより、その性能を進化させつづけています。
リチウムイオンバッテリーは、鉛酸バッテリーやニッケル水素バッテリーと比べてエネルギー密度が高いことが特長です。同じ量の電気を蓄えるのであれば、バッテリーのサイズを小さくすることができます。
日産のリチウムイオンバッテリーは、リチウムイオンを高密度に蓄えられる電極材料とレイアウト効率を高めるパック構造により、大容量化を実現しています。

技術の仕組み
日産のリチウムイオンバッテリーは、三元系正極材料とラミネート構造セルを採用したことにより、高いエネルギー密度と信頼性を実現しています。
三元系正極材料は層状構造のため、リチウムイオンを高密度に蓄えることができ、バッテリーの大容量化に貢献します。また、ラミネート構造セルは、高い冷却性能とシンプルな構造が特徴で、省スペース化に貢献しています。高い耐久性と信頼性により、バッテリー容量は8年160,000kmを保証しています。
第1世代では、4つのセルで1つのモジュールを構成し、車両に計48モジュールを搭載していましたが、第2世代では8セルで1モジュールを構成することで充填効率を高め、体積を変えることなくバッテリ容量をアップしています。

更に、第3世代では、従来は8枚のセルでモジュールを構成していたのに対し、セルの枚数を自在に変えられるユニバーサルスタック構造を採用しました。このユニバーサルスタック構造は、セルの接合部に新工法の「レーザー溶接」を採用することでモジュールの全長を短くするとともに、セルの積層枚数を変えることで車両形状に合わせた最適なモジュール高さとすることができます。

ユニバーサルスタック構造により、フロア下トンネルスペースへの設置、広い室内空間を維持しながら、大容量のバッテリーを床下に搭載することを可能としました。
