e-Bio Fuel-Cell

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バイオエタノールで発電する燃料電池システム

日産は、2016年に固体酸化物形燃料電池(SOFC)を発電装置とした燃料電池システム「e-Bio Fuel-Cell」の技術を、自動車の動力源として世界で初めて車両に搭載しました。その車載用SOFC開発の経験を生かして、定置型発電システムのトライアル運用も開始しています。

「e-Bio Fuel-Cell」は、バイオエタノールを燃料とし、固体酸化物形燃料電池(SOFC)によって発電し、電動車のエネルギー源や設備の動力源として活用できる燃料電池システムです。

バイオエタノールは植物を原料にしており、植物の成長過程で大気中のCO2を吸収しています。このため、クルマでの発電時に排出されるCO2は相殺されることになることから、大気中のCO2の増加をゼロに近づけることが出来る「カーボン・ニュートラル・サイクル」の実現に貢献します。さらに、生育の早いイネ科の植物であるソルガムを原料としたバイオエタノールをバイネックス株式会社と共同開発し、定置型発電システムで活用していきます。

バイオエタノールが広く流通している国々(例: ブラジル、タイなど)では、既存インフラを活用することができ、インフラの制約が少ない「e-Bio Fuel-Cell」は大きな将来性を秘めています。

e-Bio Fuel-Cell

技術の働き

燃料タンクに補給されたバイオエタノールから改質器で水素を生成し、SOFCスタックで水素と空気中の酸素を反応させて発電します。その電力を車載バッテリーへ蓄え、モーターで走行します。​また、発電時に発生する熱は、水素の生成に再利用されます。

SOFCは発電効率が高く、ガソリン車並の長い航続距離を実現することができます。

技術の仕組み

SOFCは酸素イオンが電解質内を動くことによって発電します。純度の低い水素でも発電するので、コンパクトな車載システム設計が可能です。​また、エタノールの他にも天然ガスなど、多様な燃料を使用することができます。
さらに、SOFCは高温で作動するので、希少金属などの高活性な触媒を必要としません。