第35回 日産 童話と絵本のグランプリ大賞受賞者インタビュー

大賞受賞者インタビュー<童話の部>  水凪 紅美子 さん


52歳 パート・アルバイト 群馬県前橋市

【受賞のことば】
受賞のお知らせをいただいた時は、何だか信じられなくて、しばらくしてから「あれ? 妄想?」と思ったほどです。このような大きな賞をいただけて、本当に光栄です。このささやかな物語を読んでくださった方が、「自分も小さなクジラがほしい!」と思っていただけたら嬉しいです。

Q:影響を受けた作品はありますか
A:海外のSF作品『ふるさと遠く』。プールに実物大(?)のクジラが出現する、オチのきいた素敵な作品ですが、自分は逆に、“小さなクジラをガラスびんに入れたい”と思ったのが発想の原点です。
Q:好きな作家はだれですか
A:安房直子さん。切なさと、すいこまれるように異世界に入り込む感覚が好きです 。 恒川光太郎さん。『夜市』もいいですが、『風の古道』の身を切られるような哀感が忘れがたいです。
Q:童話を書くようになったきっかけを教えてください
A:子どものころから“ちょっと不思議”な物語が好きで、「おばちゃんはこういうものが好きだけど、きみはどう?」とよびかけみてたくなりました。
Q:童話を創作するうえで気をつけていることはありますか
A:なるべく独りよがりにならないように、と思いますが、むずかしいです。
Q:応募されたきっかけを教えてください
A:有名な賞ですし、応募も数多いので今までおじけづいていましたが、ふと魔がさして(?)思いきって出してみよう! と思い応募しました。
Q:今回の作品は、どういったところから着想されましたか?
A:大きなクジラが、小さく、小さくなってガラスびんに入れられたら素敵だな、と思ったのと、ではそのクジラはどこから手に入れる?と思って、金魚すくいを思いついたらこのような形になりました。
Q:今回の作品を通して子どもたちに伝えたいことは何ですか?
A:自分も小さなクジラがほしい、クジラをすくってみたい!と思ってもらえたら、本当に本当に、うれしいです(イマジネーションを、大切にしてほしい)。
Q:特にお気に入りのシーンや文章はどこですか?
A:クジラすくいのテントに入っていくところと、主人公がクジラすくいに成功する場面でしょうか。不思議な空間に入っていくところや、すくいあげるドキドキ感が伝われば、と。
Q:今回の作品で苦労された部分はどこですか?
A:小さなクジラをイメージしてもらえるかな、と自分としては工夫して描写したつもりです。クジラの魅力は大きいことかも・・・・・と、反省もしましたが、大きいものが小さい、面白さを表現したいと思いました。
Q:今後、どういった作品を作っていきたいですか?
A:とにかく、“面白い!あっという間に読んじゃった”と言ってもらえるような作品が書けたら、最高です(でも、むずかしいです)。

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