Interview

Manager CG Artist

H. L.

グローバルデザイン本部
デザインリアライゼーション部

2018年入社
インダストリアルデザイン専攻

日々の仕事の中で、他のメンバーとの共同作業の重要性についてお聞かせください。

デザイン・ビジュアライゼーション・マイスターとして、日産が生み出すデザインの魅力をより生き生きと伝えるためのCG映像を制作することが主な仕事です。ふだんはデザインの主要な方向性が決まってからプロジェクトに参加することが多いのですが、それでもビジュアライゼーションの制作プロセスでは、共同での作業が大変重要になってきます。デザイナーたちは、すでに前景にしたいディテールや線を具体的に頭に描いている場合がほとんどですので、議論を重ねた上でベストな方法を模索していきます。意見が分かれた場合は、それぞれのアプローチを尊重し、話し合いで問題を解決しながら進めていきます。私たちは皆、共通のゴールを目指す同じチームのメンバーであることを常に意識しています。だからこそ、最終的には意見が一致して、より良いコンテンツを作ることができるのです。
議論を重ねていくことに加え、それぞれのデザインコンセプトの根幹をなす部分を研究し、その背景やデザインロジックをより高い視点から俯瞰的に把握することも心がけています。そのようにして、映像、音声、ナレーションを組み合わせたストーリーに生命を吹き込み、すべてを表現するのです。私が入社した当時は、デザインのビジュアライゼーションは、意思決定者にコンセプトを提示するという実用的な用途のためのものでした。でも、私はそれ以上の展開を望んでいました。プロダクトの「証明写真」をただ作るのではなく、人々の感性に訴えるビジュアライゼーションを制作したいと考えたのです。そのためには、プロジェクトごとにコンピューターグラフィックスによる独自の世界観とストーリーを構築することが理想的です。フェアレディZでは、デザインチームと連携して、新型フェアレディZに込められた魂―いかにデザイナーがフェアレディZのレガシーを大切にしながら、クラシックなデザインテーマを現代的に表現したか―に焦点をあてた映像を制作することができました。時間に限りがある場合は、訴求したいポイントに的を絞ったショートビジュアルストーリーを作ります。電気自動車(EV)であれば、新しいプラットフォームと優れた空力性能というユニークなパッケージを、ハイテクなイメージ映像の中でなどをフィーチャーするのも一つのアイディアです。毎回、新しいことにチャレンジできるのは素晴らしいことです。

日産におけるデザインの役割をどのように捉えていますか。

日産の重要な価値観の一つに、「迅速に動く」というものがあります。自動車業界は変化し続けていて、日産は常にこの変化の一歩先を行く企業でなければなりません。これは、日産のデザイン哲学にも影響を与えています。日産は、普遍性と創造性をうまく両立させていると思います。何十年も同じデザインテーマを使い続け、洗練を極めていくブランドもあります。しかし、いくら洗練されたデザインとはいえ、あまりにも型にはまったデザイン・アイデンティティを扱うことは、デザイナーにとって、心躍る未来につながるとは思えません。その一方で、歴代モデルにつながりを感じさせないデザインを採用するメーカーもあります。ただ残念なことに、統一されたデザイン言語がないため、お客さまにとっては違和感のある結果となっているのが現状です。日産は、このどちらにも極端に偏ることはありません。日産には成熟したデザインレガシーがありますが、それを土台としたうえで、新しいことに積極的に挑戦しています。この企業文化は、変化の激しい時代だからこその強みです。私の考えですが、日産のデザイン・アイデンティティは、日産に所属するデザイナー一人ひとりの個性が合わさって構築されたものです。自分が仲間を刺激し、また仲間からも刺激をもらう。このようにお互いを高めっているのです。ある特定の木を心に描いて種を蒔くとします。それを仲間が育て、世話をする。やがて大きな木へと成長したとき、きっと自分でも驚きと喜びを感じるはずです。それがチームワークの大きな力なのです。日産は、多様性、自由な発想、お互いに尊重し合う風土という点で、日本で最も風通しのいい企業であると私は思っています。

VISION

日産でのデザイン・ビジュアライゼーションの役割、特にマーケティングやPRのための役割を、私が先頭に立って拡大していきたいと考えています。デザインとは言語であり、ビジュアライゼーションはその言語をデザイナー以外の人たちが理解できる形に置き換えるものです。社内では、デザインの構築は、何年にもわたり当事者だけで進められ、新しいデザインに関するアイディア、ビジュアル、ストーリーは機密扱いとなります。その後、比較的後半のプロセスに入り、このデザインストーリーを外部へ発信するための実務レベルの段階になって、ようやくマーケティングチームがプロジェクトに参加します。最初から参加していないことで、メッセージを十分に理解し、伝えきれない恐れもあります。このプロセスの開始段階からビジュアライゼーションのチームも参加し、ストーリーテリングの手法を用いて、お客さまとデザインを直接つなぐことに貢献していきたいと考えています。

  • Exterior Designer

    T. A.

    2017年新卒入社
    システムデザイン学部
    インダストリアルアート学科

  • Exterior Designer

    S. S.

    2018年新卒入社
    工芸工業デザイン学科

  • Exterior Designer

    W. H.

    2015年入社
    インダストリアルデザイン専攻

  • Interior Designer

    H. H.

    2017年入社
    インダストリアルデザイン専攻

  • Interior Designer

    W. H.

    2014年入社
    プロダクトデザイン専攻

  • Color Designer

    Y. M.

    2009年新卒入社
    工芸工業デザイン学科
    テキスタイル専攻

  • Color Designer

    A. K.

    2018年新卒入社
    工芸工業デザイン学科
    インダストリアルデザイン専攻

  • UX/UI Designer

    R. U.

    2018年入社
    基礎デザイン学科

  • UX/UI Designer

    H. B.

    2018年入社
    Webデザイン科

  • Manager CG Artist

    H. L.

    2018年入社
    インダストリアルデザイン専攻

  • CG Designer

    N. O.

    2014年新卒入社
    美術学部 彫刻学科

  • Digital Modeler

    N. M.

    2015年新卒入社
    美術学部 工芸科