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日産GT 2012発表及び2007年度決算報告

2008年5月13日

日産自動車株式会社 取締役社長兼CEO
カルロス ゴーン

 

はじめに

皆さん、こんにちは。本日はお越しいただきましてありがとうございます。

2007年度、当社の売上高、営業利益、当期純利益は増大しました。日産社員は強い逆風に直面したにも拘らず、高い実績を残し、自動車業界全体が厳しい環境にある中、会社の軌道を保ちました。

本日は昨年度の実績と2008年度の見通しについてご説明したあと、日産バリューアップ期間中の業績概要をご報告しますが、大部分は、今年4月1日から開始しております次期経営計画を中心にお話しいたします。

2007年度販売状況

2007年度、当社はグローバルで11の新車投入を行い、いずれも順調に推移しています。特にスーパーカーのGT-R、ローグ、そしてインフィニティG37クーペは大好評を博しています。

グローバル販売台数は377万台に達し、前年から8%以上伸びました。

国内の販売台数は72万1,000台となり、前年比2.5%減となりました。全体需要が前年から5.3%落ち込む中で、当社の市場占有率は13.6%に増加したのです。

米国の販売台数は105万9,000台となり、前年から3%増加する一方、全体需要は前年から3.5%減少しました。当社の市場占有率は6.7%に達し、過去最高を記録しました。

欧州の販売台数は前年比17.9%増の63万6,000台となり、市場占有率は2.9%に増加しました。

一般海外市場の販売台数は前年比22%増の106万1,000台に達しました。中東の販売台数は前年比36%増の19万8,000台を記録しました。一方、中国の販売台数は前年比26%増の45万8,000台となり、全体需要は22%増加しました。

2007年度には10の重要な技術を商品化しました。その内の4件についてご説明しましょう。

  • バルブ作動角・リフト量連続可変システム(VVEL)はCO2排出量を削減し、トルクを10%向上させます。
  • ポップアップエンジンフードは衝突時にエンジン・フードを上げることにより、歩行者の頭部への衝撃を緩和します。
  • アラウンドビューモニターはクルマを真上から写した画像でリアルタイムに周囲の状況を確認できる装備です。
  • レーン・デパーチャー・プリベンションは車線維持をサポートします。

2007年度財務実績

次に2007年度の連結財務実績についてご説明します。

連結売上高は10兆8,240億円となり、前年から11.6%増大しました。
連結営業利益は7,908億円となり、2006年度の7,555億円に対し、4.7%上回りました。営業利益の増加は大幅な台数増によるものです。

売上高営業利益率は7.3%となりました。
当期純利益は4,823億円となり、2006年度の4,492億円から7.4%増加しました。

2007年度末の実質手許資金は1,803億円となり、フリーキャッシュフローは4,567億円でした。

今年の定時株主総会では、一株あたり20円の期末配当金をご提案する予定ですが、これにより、2007年度通期の配当金は当初の予定通り、一株あたり40円となります。

2008年度の見通し

新たな経営計画の初年度を迎えるにあたり、2008年度の見通しについて触れたいと思います。

2008年度のグローバル販売台数は前年比3.5%増の390万台を計画しています。一般海外市場とロシアを含む東ヨーロッパを中心に拡販を見込んでいます。

2008年度にはグローバルで9車種の新型車を発売予定です。

  • 6月にはティアナをロシア、日本、及び中国に投入します。
  • 6月にインフィニティFXを米国で発売します。
  • 同じく6月にマキシマを米国に投入します。
  • 9月にはキャシュカイ・プラス2を欧州で発売します。
  • 10月にバッキーの後継車を一般海外市場に投入します。
  • 10月末に国内にミニSUVを投入します。
  • 11月に国内にキューブを投入します。
  • 12月に国内にフェアレディZを投入します。
  • 来年2月にはインフィニティG37コンバーチブルを米国で発売します。

既に同業他社が今年の業界全体のリスクと好機について発表されましたので、こちらは割愛させていただきます。

以上の見通しに基づいて、2008年度の業績予測を東京証券取引所に届出を行いました。為替予測は1米ドル100円を前提としています。

  • 連結売上高は10兆3,500億円
  • 連結営業利益は5,500億円
  • 経常利益は5,450億円
  • 連結当期純利益は3,400億円
  • 設備投資は4,700億円

日産バリューアップ総括

2008年度から2012年度に亘る経営計画をご紹介する前に、日産バリューアップの結果をご報告いたします。

当初から、日産バリューアップは価値の向上と、日産リバイバルプラン及び日産180で築いてきた礎を持続的に発展させることを目的としていました。

あえて点数をつけるなら、日産リバイバルプランは満点を超える成績だったと言えます。全てのコミットメントを予定より一年早く達成しました。

日産180は満点でした。

日産バリューアップは満点とは言えませんが、高得点であったことは確かです。

日産バリューアップの一つ目のコミットメントはグローバル自動車業界トップレベルの営業利益率の達成でした。実績は私どもの期待には届かなかったものの、引き続き業界最高水準の収益性を確保しています。

二つ目のコミットメントはグローバル販売台数420万台の達成でしたが、昨年発表しましたように、達成時期を2009年度末に延期し、次期経営計画の通過点における指標の一つとしました。

投下資本利益率は17%に留まり、グローバル自動車業界トップレベルであるものの、3年間平均で20%以上を達成するというコミットメントには届きませんでした。

日産GT 2012(ニッサンジーティーニセンジュウニ)

日産180及び日産バリューアップで、当社は計画的に一貫した成長を果たしてきました。2001年度と比較して、連結売上高は6兆2,000億円から10兆8,000億円となり、75%増大しました。また、販売台数は260万台から377万台に達しています。

当社は収益性を回復し、今後の成長を支える基礎固めを行うともに、全く新しい設備を建設しました。

今後の目的は成長です。

新たな経営計画である日産GT 2012は成長と信頼を主眼としています。期間は3年ではなく、5年計画であり、期間・目的共にこれまでの経営計画とは異なります。

日産は今や健全な会社であり、より長期的な展望で、これからの会社の成長と、モビリティ社会の持続可能な発展に寄与するという私どもの目指す姿の両立を追求します。当社の成長に伴ない、全てのステークホルダーとの信頼関係を更に強化することを目指します。

日産GT 2012の目的についてご説明しましょう。以下三つのコミットメントを掲げています。

一つ目はクオリティです。品質は、世界に通用する一流の自動車メーカーにとっても、誠実なブランドであり続けるためにも不可欠です。

このコミットメントの主題は、品質領域でリーダーとなることです。品質とは、お客さまの信頼を得るために必要な商品の質は勿論、サービスの質、ブランドの質、マネジメントの質、そして会社全体の質を指します。「最高水準」とは、それぞれの領域のナンバーワンと比較して、日産が遜色のない実績を残すことを意味します。

当社はあらゆる領域における品質改善の取り組みを加速します。これには感性品質・魅力品質、製品品質、営業・サービス品質、そしてマネジメントの質も含まれます。

具体的な社内目標を各領域に設けて、目標達成に向けて、あらゆる体制やプロセスを見直し、強化します。

それぞれの地域では、お客さまの意見を反映する、影響力のある外部指標を、社内の指標と併せて分析します。そうすることで社内の指標と、それぞれの地域における品質に対するお客さまの認識の整合性をとります。例えば、米国では、私どもの見る限り、コンシューマー・レポートが、25%以上のお客さまがクルマ選びの際に参考にする雑誌として、影響力のある指標となっています。2008年のコンシューマー・レポートでは、ニッサン アルティマがトップレベルの中価格帯セダンとして、またインフィニティG35が「トップピック」高級セダンとしてそれぞれ選ばれました。

商品品質の重要な指標はお客さまからのワランティ・クレームです。これは納車から初めの三ヶ月間の不具合件数で評価されます。当社はお客さま満足度向上を目指し、2012年までにワランティ・クレームを半分に減らします。

二つ目のコミットメントは世界環境の変化に寄与することを目的としています。現在、世界では二つの潮流が目を引きます。ひとつめは急速に台頭しつつある発展途上国とふたつめは環境対応です。

こちらの表は1990年以降のグローバルな全体需要の推移を示しています。世界の全体需要は1990年の4,600万台から、今や6,900万台に到達し、65%以上増加しています。

また、各国の人口に対する車両台数の比率を見ても、全体需要がこれからも拡大することがわかります。現在、米国では1,000人当たりの車の保有台数は800台です。またその他成熟市場の日本、イギリス、ドイツ、フランス等も1,000人当たり約600台です。一方、BRICs諸国では、ロシアは1,000人当たり250台、ブラジルは150台、そして最も人口の多いインドと中国は依然として1,000人当たり50台以下に留まっています。つまり、今後増加する余地が大きいということです。これらの市場における需要の拡大は、大半の成熟市場の需要の減少を上回るでしょう。事実、この傾向は始まっています。2007年、グローバルな全体需要は6.1%増加したものの、西ヨーロッパの需要は横ばい、米国は3.5%減、そして日本は5.3%落ち込みました。

今後の市場の拡大に対して、適切なラインアップを考えなくてはなりません。需要が拡大するということは、更に多くの国々で、より多くの道を、より多くのクルマが走るということですが、その一方で、原油の供給と価格、CO2排出の問題があります。クルマの需要拡大と、環境保護の間には利害の衝突があると言われています。

排出量を10-30%削減するだけでは解決になりません。クリーン・ディーゼル、ハイブリッド、エンジンの小型化等も技術の進歩において大事なステップです。ゼロ・エミッションに近いクルマも解決策の一部に過ぎません。自動車メーカーにとって、需要の拡大と環境保護に対応するための長期的な最善策は、環境負荷の全くない、ゼロ・エミッションのクルマです。

日産にとって、ゼロ・エミッションのクルマは、アライアンスの戦略に基づいた、企業戦略の中心に位置します。

従って、日産GT 2012の二つ目のコミットメントは、ルノーと共に、ゼロ・エミッション車で世界のリーダーとなることです。私どもは2010年に米国と日本に電気自動車を投入し、2012年にはグローバルに量販する予定です。また、ルノー・日産アライアンスは、2011年にイスラエルで電気自動車を量販する契約も交わしました。さらにデンマークでの契約も程なく追随します。

私どもは電気自動車を1車種販売するのではなく、安全で、優れた設計の、魅力ある、乗って楽しい高品質の電気自動車のラインアップをご提供する予定です。

現在、ゼロ・エミッションの潜在需要はあるものの、商品がありません。石油に頼らない、環境負荷のない、手頃なクルマを量販するチャンスです。これが二つ目のコミットメントです。

日産GT 2012の三つ目のコミットメントは本計画の5年間、平均で売上高を5%増大させることです。

売上高の増加を支える商品投入計画では、2012年度までに60の新型車の発売を予定しています。これは平均でひと月に一車種新型車を投入する計算になります。60の内3分の2は現行車の後継モデル、3分の1はグローバルな新規投入です。

乗用車の着実な投入を計画する一方で、小型商用車も2010年に加速します。現在、適切な商品ラインアップが揃わない、或いはプレゼンスがないという理由から、当社はグローバル市場の21%をカバーしていません。しかし、2012年度までにはほぼ全ての市場とセグメントに参入します。

これまでの経営計画と同様に、向こう数年間の配当政策を株主の皆さまに発表します。日産は確かな業績をあげると信じていますが、厳しく変化の激しい環境も考慮しなくてはなりません。検討の結果、2008年度は一株あたり42円、2009年度は44円、2010年度は46円の配当金をご提案する予定です。2010年度には、2011年度と2012年度の配当政策を発表し、株主の皆さまに見通しをお伝えしたいと思います。

日産GT 2012では、企業のブレークスルー、目覚しい結果を生み出す力を持った前向きな提案を掲げています。この5つのブレークスルーは品質の領域におけるグローバル・リーダーになること、ゼロ・エミッションの領域でグローバル・リーダーになること、事業の拡大、市場の拡大、そしてコストにおけるリーダーになることを目的としています。

一つ目のブレークスルーは、第一のコミットメントである品質領域でリーダーとなることに連動しています。

二つ目のブレークスルーは第二のコミットメントであるゼロ・エミッション実現へのロードマップに関係しています。電気自動車に対するコミットメントについては先ほど触れましたが、環境行動計画である日産グリーンプログラム2010については引き続き活動を進めます。クリーン・ディーゼルは今年の秋に、エクストレイルに搭載して国内で発売し、2010年には米国にクリーン・ディーゼルのマキシマを投入予定です。日産独自のハイブリッド車は2010年度に登場します。

当社はこれまでも新機軸を打ち出してきましたが、今後も数多くの新しい技術の開発を進めていきます。2008年度には10の新技術を商品化します。例えばCO2の排出量を抑える新しいクリーンディーゼルエンジン、低コストとクリーンな排気を実現する超低貴金属触媒、薄暮時を検知して点灯するスマート・オート・ヘッドライト、自動巻き取り機能を持つインテリジェント・シートベルト等です。日産GT 2012では、毎年15以上の新技術を投入予定です。

残るブレークスルーは売上高増大のコミットメントを支えます。

三つ目のブレークスルーである事業の拡大は、インフィニティ、小型商用車、そして新規参入するエントリーカーラインアップのロードマップに関わるもので、それぞれ専門の組織を設けました。

インフィニティでは飛躍的な成長を計画しています。日産GT 2012では、インフィニティの販売台数を15万台から30万台に倍増させると同時に、トップレベルの収益性を確保します。健全な拡販を支えるのは商品ラインアップの拡充と、インフィニティ・ブランドの地理的拡大です。

小型商用車事業部の戦略は、日産バリューアップでの大きな成長を足がかりに、更なる発展を目標としています。小型商用車の売上高も倍増させますが、これには合弁事業やOEM契約、そして架装・特装事業も寄与します。小型商用車事業部は日産GT 2012で、全社平均を上回る営業利益率を達成する見込みです。

事業拡大のブレークスルーではグローバルなエントリーカーの新規ラインアップの投入を計画していますが、これにより、より幅広いお客さまに手頃なクルマをご提供することができるでしょう。この計画は二つの面から成っています。日産車は新しいAプラットフォームを採用し、その下にアライアンスの商品である超低コスト車をバジャージ社と開発し、2011年に発売する予定です。

当社はエントリーカー市場で、エントリーカー専用のプラットフォームを採用し、少なくとも三車種揃え、5つの競争力ある国々で生産します。第一弾はタイとインドで2010年初旬に生産を始める予定です。Aプラットフォーム採用のクルマは競争力のある国々(LCC)で調達・生産しやすい商品として、高水準のコスト競争力を実現し、エントリーカーを求めるお客さまに魅力あるご提案となるでしょう。現在、日産にはエントリーカーはないため、大きな可能性を秘めています。

四つ目の日産GT 2012ブレークスルーは市場の拡大です。

インドでは、パートナーと手を組み、インド市場への参入を迅速に進め、現地の専門性を活かし、これまでの当社の協力関係の成功を参考に、戦略的な取り決めを行いました。

  • ルノーと共同で、40万台の乗用車の生産能力を持つ工場をチェンナイに立ち上げると共に、同地にルノー・日産アライアンスの技術センターを新設します。
  • アショック レイランド社とは小型商用車の合弁事業を開始します。
  • バジャージ社とはアライアンスの超低コスト車の準備を進めています。
  • ホーバー社とは、販売・マーケティングと販売店の拡大で連携します。
  • マルチ・スズキ社とともにAセグメントのクルマを欧州に輸出します。

インドでは、販売台数を2012年度末に20万台以上に増やす見込みです。

ブラジルはもう一つのブレークスルーの機会となる代表的な国です。同国の全体需要は2007年度に30%拡大し、好調な経済成長に伴ない、新規のお客さまが優遇金利に後押しされ、初めてのクルマを購入しています。需要の拡大は向こう数年間続くと見ています。当社は市場のカバー率の拡大を目指し、日産GT 2012期間中にエントリーカーを投入します。エントリーカーを発売することで、このセグメントにおける販売台数を現在の15,000台から2012年度末には10万台以上に引き上げる予定です。

中国では、日産は日系メーカーで唯一、小型商用車で相当程度のプレゼンスを誇っています。日系メーカーの中で、当社は乗用車販売では三位ですが、小型商用車の販売を加算すると二番目に高い販売台数を達成しています。また、これに東風の商用車販売を加えると一位です。当社は中国における乗用車事業を強化しており、日産GT 2012では販売台数を45万8,000台から80万台以上に伸ばす予定です。

ロシアにおける2007年度の当社の市場占有率は5.1%で、前年から1ポイント近く増加しました。ロシアでは小型商用車を投入することで更にプレゼンスを強化します。販売台数は現在の14万1,000台から、2012年度には倍増の28万2,000台以上とする見込みです。重要車種の現地生産は、サンクト・ペテルブルグで2009年に開始します。最近発表しましたアフトヴァズ社との提携で、ロシア市場におけるルノー・日産アライアンスの発展の新たなチャンスが広がるでしょう。

中東では、販売台数が現在の二倍に相当する40万台以上に伸び、市場占有率も大幅に増加する見込みです。

日産GT 2012達成の基本要件は五つ目のブレークスルーとなるコスト領域におけるリーダーになることです。

この3年間、エネルギーと原材料価格は高騰しています。例えば、鋼材、アルミ、貴金属は全て値上がりし、当社にとって3,000億円近くの減益要因となっていますが、今後も増加の一途を辿ると見ています。自動車メーカーは原材料価格の高騰を商品価格に転嫁することが難しいため、更なる原価低減活動で価格高騰を吸収しなくてはなりません。

当社は引き続きサプライヤーと共に3-3-3活動を強化すると同時に生産性向上に努め、これまでと同様、最高水準の購買コスト削減を維持します。

また、向こう5年間で平均して部品1点あたりの生産量を倍増させる目標に向けて、事業の成長、部品種類の削減と車種の効率化、そしてアライアンス共通部品の増加を推進します。

LCCにおける現地化をさらに徹底するために、仕様も簡略化し、調達の効率化を目指します。新型車の部品調達の9割以上をLCCで行うことを目標としています。重要な節目となるのは、Aプラットフォーム採用の新型車が投入される2010年です。Aプラットフォームのクルマは現行マーチに比べ3割コストが安くなる見込みです。

材料費はあらゆる面で見直しを行います。例えば、2007年度には貴金属の購入に1,000億円以上かけましたが、2009年度と2010年度に投入予定の新型車については、貴金属の使用量を1台あたり平均5割削減します。

一般管理費は2010年度まで据え置きます。売上高に対する一般管理費の比率を長期に亘って4%に収めることが目標です。

コスト管理改善に向けて、機能別ではなく、ものづくり全体を見直し、購買コスト、製造コスト、物流コスト、一般管理費を含む総経費を対象に管理し、会社の総合的な競争力向上に努めます。

競争力向上を支える要素として、アフトヴァズ社の90万台を加えたルノー・日産アライアンスの拡大が挙げられます。アライアンス発足時、日産とルノーは主としてプラットフォームとパワートレーンの共通化で協力していました。2001年からはルノー・日産共同購買会社であるRNPOを通じて調達の最適化を進めてきましたが、RNPOは現在両社の年間購買額の9割を扱うまでに成長し、部品購入の100%を担っています。

アライアンスはあらゆる部署にとって他にはない、半永久的なベンチマークの対象です。計画的に各プロセスを比較することで、両社は改善の機会を捉え、速やかに具体的なプロジェクトに転換します。

両社のパートナーシップが成熟するに伴ない、両社はより積極的且つ戦略的に協力を進めています。いくつかの最近の発表内容がそれを物語っています。

  • インドではアライアンスによる超低コスト車の準備を進めるとともに、チェンナイに共同工場を建設中です。
  • モロッコでは生産複合施設を新設し、年間40万台の生産能力を確保します。
  • ロシアでは、アフトヴァズ社と共に新たな機会を模索します。
  • そしてゼロ・エミッション戦略では、両社共同で電気自動車の量販に向けた最初の一歩を踏み出しました。

まとめ

これまでルノー・日産アライアンスは、日産再生において変革を促す戦略的なパートナーシップでしたが、今後も、当社の持続可能な発展の枠組みとして機能していきます。

1999年以来、日産はアライアンスにおいて多くの成果を生み出しました。日産にはグローバル自動車メーカーとしても、アライアンスのパートナーとしても、まだ大きな潜在力があります。

日産GT 2012で私どもは成長と信頼を目指し、歩みを進めます。成長を支えるのは新型車、新技術、新規市場です。そして信頼を支えるのは商品・サービス、業績、株主の方々へのリターン、そして地球における当社の役割の向上です。日産GT 2012を通じて、私どもは信念に基づいた、長期的な公約を掲げています。それは持続可能性、すべての人々へのモビリティ、そして環境への公約です。

日産はこれまでも、これからも、人々の生活を豊かにするため、取り組みを続けていきます。

以上